AudiA4/B7、プロジェクトカー001号機。無事四国入り。

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SACHS(ザックス)の日本国内向けレースダンパーのR&Dを一手引き受けるSREジャパン(刈谷アネブル)にて設計、組み立てられAudiA4B7用ダンパーセット(サスペンションセット)”RSシリーズ”。そのRSダンパーセットが搭載された僕らのB7プロジェクトカー001号機が、無事四国入りしました。現在、高松のSACHS専門店アウトシュタットさんにて車高を含む全ての微調整を行い、より快適にご試乗頂く為の準備段階に入っております。横浜本牧をベースと例えるなら、香川高松(アウトシュタットさん)は的確な精密作業が可能なドックって感じです。僕も高松ドック入りして”うどん三昧”などと考えちゃう今日この頃、、一応このA4B7プロジェクトの責任者を任されておりますので近々高松入り出来ると思います。(四国での試乗会詳細スケジュールは来週前半までにご案内出来ると思いますので、少しお待ちくださいませ。)アウトシュタット店主、岡林さんの作業の合間を縫って、常連さん達が駆けつけ「話しに聞いたダンパーセットって、実際どんな?」また「何時まで001号機ありますか?」などなど、、半ば関係者内覧会状態の様子です。でも試乗会前からこれだけ盛り上がっていただけるって事はホント、感謝しなければなりません。アウトシュタット岡林さんと、常連の皆さんっ!何卒宜しくお願い致します!

ああ!と、思い出しました。ASMさんの905/3号機(S2000)オーナーさんもご都合が宜しければ是非ともご試乗頂きたいです。ASM金山総店長様も宜しくです。

さて、製品の話しを少々。多くの販売店さんから「何故?AudiA4B7用がラインナップ(製品化)されたの?何故他のドイツ車じゃあないの?」とよくよく質問されます。おっしゃりたい事は良く解ります。現マーケットを見渡して、もっと活発に製品をご購入頂けるクルマがあるでしょ、、僕も思いますが、これにはちゃんとした訳があります。先ず、RSシリーズは数量限定の試験的要素(製品精度の問題ではなく、あくまでも企画においての話です)の高い製品です。

1つのプロジェクト(製品企画)には必ずその他の複合要因が含まれます。Audiを企画する前に展開していたBMWミニR50~53のRSダンパーセットの場合、新しい概念のコイルスプリングを組み合わせ、その精度に併せてダンパーを仕上げる。結果は製品をご購入頂いた数少ないラッキーなオーナーさんが常に評価して頂いております。(徳島のJCW32Sさんに感謝)現在は既に生産終了した製品ですが、未だに探されている方もいらっしゃる程、評価の高い製品です。この評価を元に僕らからスプリングメーカーさんへのフィードバックを行いました。SFCスプリングがショートホイルベース(ミニ)の輸入車での効果を実証と。今回のA4B7はその発展系、バネのレートを更に上げてハイレスポンスを狙う。但し”絶対的な乗り心地(どんな人が乗っても乗り心地がよい、快適と感じる事)”が1番の開発目標でした。サーキット走行も可能なスプリングレートと高速収束を可能とするレースパーツを組み込んだSER製RSダンパー。でもターゲットはあくまでも、快適性を伴った一般ユース。さて、この”究極の普通”を目指したA4B7用ダンパーセット。お伝えしたい事はまだまだありますが、次回にまた。

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SRE社製RSダンパーセットが装着されたAudiA4B7”001号機オーナーのドクター岩田さん”から「ショウジさんね~僕のクルマのSRE製RSダンパーセット、、毎回のドライブが快適で、高速域の運動性能も満足していて、おまけに奥さんからも乗り心地が良くなったって好評で文句ナシなんだけど、、1つ疑問があってね、、何でSRE/RSシリーズ第2弾がA4B7だったの?おかげで僕のクルマは凄く良くなったんだけどね。」実は多方面からドクター岩田さんと同じような質問を頂いてますので、説明しなくては!と、思い書いてます。

先ず僕らのポジション、輸入発売元ですからメーカー(ドイツSRE社)の創った製品を日本国内で販売する事が1番。SRE社唯一のストリート向けコンプリートセット(サスペンションセット)RS-1にラインナップされた車種モデル(E90/GOLF5&TT/Cayman/Elise/LancerEVO)は自社開発から外さなければなりません。製品の輸入販売を引き受けた以上これは絶対で、紙の約束(契約書)より人と人との信頼関係を重んじる企業との(意外と古風でしょ、でも本当です)同盟関係と言ってもいいでしょう。しかもRS-1生産プロジェクトはドイツSRE社、社長のトップダウンと聞いておりますから頑張らざるを得ません。よって以降の日本限定RSダンパー開発プロジェクトに上記車種がラインナップさせる事はありません。幸いにもAudiA4B7はドイツ本国のラインナップ(RS-1プロダクツ)に挙がらず、「ならば僕らが、、」と、相成った訳です。

AudiA4B7のサスペンションレイアウト(写真上スケルトン画像参照)、フロントが変形ダブルウイシュボーン。セットアップされたダンパーとスプリングは直接的な応力剛性を必要としませんからRSダンパーにはライトウエイトアルミシェルケースを採用致しました。ちなみにリア側のAudiで言うトルベゾイダルレイアウトにおいてもRSダンパーはアルミシェルケースを採用。バネ下が軽減される恩恵はもう皆さんご存知だと思いますので省きます。ストラット車両(E46/90/GOLF5etc)をメイン開発車両としたRS-1、自ずと倒立&ストラット強度=スチールケースを採用しています。この点からもAudiA4B7がRS-1ラインナップから外れ、現在進行形のRSダンパーセットに至る経路がご理解頂けると思います。当然従来より製品開発に関して保持すべきドイツサイドのエンジニアリング(OEMデータ等)も異なっている事もお伝えしなければなりませんね、、大半のAudiA4B7純正装着のダンパーはフロント/モンロー製、リア/カヤバ製。SACHSの名前は何処にも無い訳ですから、、続きは後ほど。