前職の輸入車専門チューニング&ドレスアップパーツサプライヤーだった頃、一番身近なチューナーがエッティンガーでした。倉庫に行けばブランクのコンプリートエンジンや各種パーツが整然、、じゃなくゴチャゴチャに置かれていて、コンプリートカーと言えば麻布の沼地に立つ水没寸前の某ビルF1車庫と、移転前のオフィス駐車場に整然と並べられておりました。当時は全て見なかった事(訳あって)になってましたが、その無骨でいかにもドイツ職人が造形した構成パーツに萌えた記憶があります。VW本体より先にGOLFに16Vヘッドを搭載した天才エンジニア。その後即、VWがそっくりのヘッドとマニフォールドをリリースして初のGti-16Vが誕生。当時のエッティンガーとVW社の関係は?のままですが、エッティンガーの創立者兼社長のゲアハルトエッティンガー博士はまぎれもなく”好き者の天才”だと思います。画像は、、多分当時のフライヤーから抜粋されたカラベル用チューニングパーツ構成。清志郎さんが愛したポルシェのエンジンを搭載した最強のVWバス!ボディパーツ(前後スポイラー&サイドパネル)に始まりタイヤ&ホイル+ブレーキアップデート、6気筒エンジン構成パーツとペダルレス変速(スポルトマチックコンバート)、で、注目して頂きたいのが赤いダンパー!勿論SACHS(ザックス)です。エッティンガー別注の特別セットアップで勿論専用品番でした。思えばVWのスポーツモデルにSACHSダンパーが標準搭載される以前からエッティンガーが採用して居たんですね。天才は目利きでもありました。さてさて、新生エッティンガージャパンがスタートしたようなので、陰ながら、昔の約束通り気付かれないように(笑)応援したいと思います。現代のVWにはもうこの画像のような大掛かりなパーツ構成は全く必要ないと思いますが(ノーマルで十分速く、必要なのはアップデート過給機とそのECUの調律+マフラーで500PSつー車両もあるそうです)サスペンションはまだ伸びしろがあるように感じます。DCC(VWに標準搭載される電子制御ダンパー)は優れたセットアップではありますが、高負荷での応力とレスポンスは機械式(オリフィス)には敵いません。また従来からのクルマの動き(揺れ方)を良しとする多くのVWエンスージャストの方々にも機械式、つまりSACHSパフォーマンスコイルーバーの自然な動きの気持ち良さを体感して頂けると考えております。今の私のポジションであれば、当時のようにエッティンガー専用のダンパーセットアップ(専用品番)SACHSパフォーマンスコイルオーバーのプロデュースも可能なのでエッティンガージャパンさん、その際は宜しくお願い申し上げます。
日別アーカイブ: 2017年1月24日
SIMONINI
SIMONINI(シモニーニ?)1970年代後半のダートレーサーでありまして、ご覧の通り、搭載される空冷2stエンジンは”SACHS(ザックス)”製であります。当時のドイツSACHS社はダンパー、クラッチ等の自動車部品サプライ(純正供給とサードパーティーへ)を行いつつ、ヨーロッパのオートバイと小型自動車(メッサーシュミットやBMWイせッタ等)のエンジンマニュファクチャラー(開発&供給)としての一面もありました。この2stエンジン開発の派生から現ロータリー(旧ヴァンケル)エンジンの開発に居たりました。ロータリーエンジンもSACHS(子会社ヴァンケル)が世界初です。エンジン部門の最初のプロダクツは2stの50ccで製品名Saxsomat、、だったと思います。この小さなエンジンを自転車に乗せて売ったら大ヒットだったようで、「ソレ、、HondaのCubと同じじゃないすか?」と、思いますよね。同じですがHondaより20年以上前のプロダクツですから元祖はSACHSです。今は引退されたドイツ人みたいな私の尊敬する日本人”ミスターK(マンネスマン時代から1人日本で戦ってきたSACHSブランドの重鎮)”はHondaとの会合(OEMでの会議?)でよく衝突していたらしく、その都度「お前らがカブ作って売ってる20年前からこっちはやってんだ!」的な言い合いだったそうで、、ブランドを保つ事、そのブランドを扱う上でプライドを持つ事。今も肝に銘じております。