BLUE-AREAオリジナル14R60専用SACHSレーシングダンパーキットが完成致しました。サーキットユースにターゲットを絞ったスペシャルな限定車の特性を生かしたまま、高負荷での性能と、ストリートユースも視野に入れたセットアップです。”低フリクションで高いトラクションを得る事”を開発目標に掲げ、テストと検証を積み重ねた結果、14R60純正のスプリングレート(Front116N/mm,リア146N/mm)の必要性を理解する事が出来ました。スプリングレートは出来るだけ14R60純正をトレースし、高負荷での実戦的な減衰レート(&展開バリエーション)を実現。前後のダンパーは共にドイツZFレースエンジニアリング社製レーシングマトリクス(プロチームが車種やレギュレーションによって選択出来るモジュレーションダンパー)を採用。微速域からダイナミックでリニアな減衰が立ち上がるSACHSレーシングダンパーの特性により”動きのしなやかさ”を感じられますが、これはあくまでも副産物的性能で本領はサーキットにあります。その性能表現は非常に難しいのですが(今後blogにて継続的に掲載します)、この14R60専用SACHSレーシングダンパーキットの前後の減衰調整機能を外したセットアップが世界最速最高峰のワンメイクレーサーPorsche991GT3-Cup用ダンパー(SACHS製全車レギュレーション装着)と同じ構成となります。RRの460ps、リア12J(31/71-18)のレーシングミシュランタイヤを制御するキャパシティーを考えると、このBLUE-AREA14R60専用SACHSレーシングダンパーキットのポテンシャルもご理解頂けると思います。製品はBLUE-AREA専売品となります。 ■製造 / ドイツZFレースエンジニアリング社オフィシャルテクニカルパートナー”アネブルAP”。 ■ダンパー減衰展開 / ブルーエリアSACHSレーシングダンパーキットの減衰展開を可視化(実測値を元にしたイメージ)致しました。左がフロント、右がリアー。黒い横線を中心として上がバウンド(縮み)、下がリバウンド(伸び)となります。左右のグラフ両外郭線がオリジナルプロフィールとなり、内角に向けて青色の範囲内で減衰の変更が可能です。フロントはバウンド&リバウンド同調式の1way18段(18クリック)調整。リアはリバウンドのみの1way無段階調整。微速域からダイナミックに立ち上がるワイドな減衰レンジはサーキット等での高負荷走行に重点を置きつつも、乗用のモラルある”乗り心地感”を装備しました。 ■Damper-Front / Porsche991Cup等、ワンメイクレーサーに数多く採用されるZFレースエンジニアリング社製レーシングマトリクス”倒立ストラット”を採用。同社のチューニングスポーツダンパー”SACHS-Performance(ザックスパフォーマンス)”とほぼ同等の外観ではありますが、フルタップ&アジャスタブル高強度ナックルジョイントを装備した全長調整式の専用設計。ダンパーストロークを確保した上でハイトアジャストが可能。バンプ&リバンプ同調調整1way18段減衰制御。 ■Damper-Front / キャンバー&キャスターアジャスター装備のレーススペックピロボールアッパーマウント採用。ダンパー下部のダイヤルで18段の調整が可能。カチっと決まるワンクリックによりブラインドタッチでの調整も可能です。応力剛性に優れた反面、正立式と比べフリクションポイントが増える倒立式ダンパーではありますが、全ての内蔵パーツとシール&スリーブは100%レース専用パーツを搭載しております。ローフリクション性能でストロークによる減衰に影響が出る事はありません。 ■Damper-Rear / Porsche991Cup等、ワンメイクレーサーに数多く採用されるZFレースエンジニアリング社製レーシングマトリクス”RD45(正立式)”を採用。フルタップ&ボトムブラケットのハイト調整が可能な全長調整式。リバンプ(伸び)側のみの無段階調整1way減衰制御。14R60への採用にあたり、限られたストローク量を最大限有効にするべくトップマウントをリジット化。適正なストローク量を持って、14R60特有のウイング付きロワアーム位置(ディフューザーウイング面と同等の高さ)を確保する事が出来ます。 ■Damper-Rear / フロントの倒立ストラットと違い、リアのRD45ダンパーの減衰調整はトップナットを回転(無段階)させて調整します。製品を組み上げ、減衰レートの最終チェック後、左右2本のダンパーに減衰の中心位置をけがきと筆入れ(ハンドペイント)を施し完成します。超高精度F1ダンパーと呼ばれるSACHSですがパーツの精度と組立公差により若干の減衰展開の誤差が生じます。中心点を明記するこの筆入れ作業はダンパーエンジニアのプライドと工業製品でありながら工芸の域を感じる芸術性能をも兼ね備えた製品です。 ■Coil-Spring / ユーロ圏の多くのプロチーム、チューナーが採用するドイツEibach(アイバッハ)ERSスプリングを採用。ドイツゾーリンゲン-刃物の街で創り出されるERSスプリングはハイクオリティーオイルテンパー線を鋼材とし、冷間製法+ショットピーニング弾性強度を確保。14R60用SACHSレーシングダンパーに搭載される全てのERSスプリング(メイン&ヘルパー&テンダーライナー)は線間密着荷重に対応。国産スポーツスプリングとの大きな違いはここにあり、ブロックハイトの状態からリニアなレート展開が可能です。フロントスプリング120N/mm+ヘルパー20N/mm、リアスプリング140N/mm+テンダー65N/mm搭載。性能目標車高は14R60ノーマル同等となります。 ■BLUE-AREA / レース参加に積極的なネッツトヨタディーラーで、過酷なレースからフィードバックされる独自のパッシブ(より良く走る事へ)&セイフィティ(安全に壊れないように)技術と経験を持った86&BRZのスペシャリスト集団。14R60専用SACHSレーシングダンパーの開発者で、BLUE-AREAを統括するマスタースタッフ高木さんはプライベート(自費)で14R60を購入し、日々様々な製品化へ向けたテストを繰り返すエンスージャストであります。日々14R60と過ごし体感する事、これは多くの14R60ユーザーさんにとってもっとも信頼性の高い指針になると感じます。価格含めた製品への質問/納期/取り付け作業工賃等のお問い合わせはブルーエリアの高木さん(電話048-885-1016)までお願い申し上げます。 |